朝からあいかわらず同じ景色を走り続けます。
コレは夜中のオキ火。
こういうアウトバックのブッシュキャンプでは、焚火をします。
それは調理の他に、煙や炎で悪い虫や動物が寄ってこないから。
海から遠いこういう砂漠では、風はたいてい気温の変化で吹きます。
朝は陽が昇ったほうから。温かくなった空気は膨らんで気圧が高まるので、冷たい気圧が低い方に向かって吹く。
日中太陽が高くなると風が止んで、夕方陽が傾くと、こんどはそちらから吹く。
それでね、陽が落ちて2時間すると地面が冷めるので風が止まる。
その頃には虫の音も止まって、あたりが静かになります。
焚火も3時間くらいするとポッポッ、という炎の音が終わって、たまにピチッ、というオキ火がハゼる音だけになる。
それもとまるこの写真みたいな夜中になると、本当の無音になるんです。
そうするとね、「静けさの音」が聞けるんです。
聞いた事ありますか?
文字で表現するとね、マンガみたいに、「しぃ~~~~ん。」ってうるさいくらい(笑)
私は一日中、エンジンやロードノイズの中にいるので、余計にそうなのかもしれません(笑)
今回の旅でそれに気がついたのは、キャニングストックルートから。
ひとりぼっちな夜はやっぱり、手持ち無沙汰なんですが、その静けさの音を楽しんでいました。
いままでの画像で、観光地の写真があまりなかった事に気付いていると思うんですが、人との出逢いとか、こういう変な事が私は楽しいんですね。
コレは朝。昨夜のオキ火が残っていると、こんな朝食を取ります。
きたならしいんですが私にとっては、豪華なホテルのブレックファーストより、ずっと価値があります。
コレにもずっとお世話になってます。
液体絆創膏。人間用のボンドという感じ。
ずっと乾燥しているところにいるので、手や足のカカトが割れてきて、チリチリ痛い。そういう時コレで貼りつけます。
だいぶ進んでます。当初のヨミからは1日オーバーしてますが、今日中には抜けられそうです。
新しいラクダの足跡がたくさんあります。
近くにいますね。
硬いところを歩いています。
仔ラクダもいますね。
景色は変わらないんですが、国立公園の出口。
エミューの群れに出会いました。
追いかけてみましたが、足が速くすぐに居なくなりました。
エミューの足跡。
いました。
私が進む方向に逃げていました。
エンジンを止めて、遠くからそっと写真を撮ります。
でもすぐに気付いて、すばやくブッシュに入ってゆきました。
オールドマンエミューという車の部品がありますが、老練されたエミューのようにブッシュを走り回れる。という意味です。
バーズビルに近づくと、砂丘は間隔が離れ、大きくなってゆきました。
ものすごく大きなやつが現れました。
今までの一番でかいやつの1.5倍くらい。30mくらいかな。
コレがビッグ・レッドと聞く最難関なのかしら。
気合いを入れて進みます。
望遠で撮るとこう。
トラック(ワダチ)がいっぱいついているのがわかりますか。
トラックが沢山ついているということは、アチコチからアタックしているという事を示します。
それは多いほど登りにくく、難易度が高いので、こんな遠くからも「次は難関だ。」とか、わかっちゃうんですね(苦笑)
やっぱそうですね。ビッグレッドと書いてあります。
バーズビルは右に行けって書いてありますね。
いきなり頂上の写真ですが、登るまでに3回アタックしてます。
勢いをつけて、2速全開という感じです。
なんていうのか、景色はキレイだし、至福のときですね。
頂上のぼって気が済んだので、このまま反対側に降りられそうだったんですが、看板に右にゆけ。って書いてあったので、また降りました。
コレが大失敗でした。
次の登り口。
どうって事なさそうなんですが、やっぱり頂上がアゴになってます。
ゆるゆる通過でそうなところはなさそうです。
本当はこういうのは、足で登って確かめてからやらなきゃイケナイんですが、暑くって面倒なので、「ココだな。」とアテをつけて勢いをつけ、真っ直ぐに登ったら岩の周りに強風でできた大きな穴ボコに突っ込みそうになりました。
ココまできてクラッシュやレスキューは避けたいです。
バックで降ります。
曲がりながら登らなきゃならないので、勢いがつけられません。
2速全開でなければ登れないんですが、途中で失速してしまいます。
やべえな。どうしよう。
4回失敗したところで、反対側からトレーラーを曳いたランクルが来て、てっぺんでスタックしてしまいました。
スタックをリカバリーしてるところ。
リカバリーが終わり、こっちに降りてくるのかと思ったら、日除けを広げて休憩しはじめてしまいました。
私は登れないとカッコ悪いので、しばらく昼ごはんを食べて休憩していたのですが、無線で「悪かったな。リカバリーが終わったよ。登ってきてOKだよ。」と呼ばれました。
「OK、ありがとう。」とか返事をしたのですがこういう場面は、日本男児としては不様な姿をさらす訳にはゆきません。(爆笑)
私はさらに空気圧を下げ、トランスファを4Lにして、再度アタックしました。
4度目失敗。
さらに後ろのデフロックを入れて、4速全開・・・。
2段になってる頂上付近で、さらに2速で全開・・・。
5度目でやっと登ったところ(爆笑)
なんだこんなところ。って思うかも知れませんが、けっこう急なんですよ(苦笑)
NSWから来たニックファミリー。
今で6ヶ月目。あと12ヶ月旅をするといいます(驚)
キャニングストックは、このまま来年行くそうです(汗)
しかもこんな小さな子連れ。
こんな小さなうちからアウトバックの旅をして、この子達はどんなスゴイ大人になるんでしょう。
オージーの子育てや教育に対しての考え方は、日本のそれとはだいぶ異なります。
こんな砂丘のてっぺんでお昼ご飯作ってるし。(笑)
これからフレンチラインを渡るそうです。
彼には、私の持っている道路情報をできるだけ詳細に伝えました。
正直にいうと、今のフレンチラインは、トレーラー付では無理だと思います。
ココを一旦降りたら、登れないことも、私のことを見て理解していると思います。
けれども私は、本当にどんな所でもトレーラーで入っていってしまう、オージー・スピリットをまざまざと見て来ているので、余計な事は言いませんでした。
こういうところを普通に家族で旅して、度肝を抜かれました。
降りたらバーズビルまでは平らな道。
バーズビル。
小さな集落です。
ロードハウスで給油とミートパイと休憩。
向かいがキャラバンパークなんですが、なんだかブッシュキャンプに慣れてしまって窮屈に感じるし、まだ日が高くて日陰のない所にはとても居られないので、インサイドトラックを通ってゆける所まで行くことにしました。
2時間ほどうろうろしていたのですが、町を出るときに、ニックのトレーラーとすれ違って、手を振りあいました。
きっとルートを変えるのでしょう。賢明な選択だと思います。
本当になんにもない道。丘の稜線とかも見えない。
交差点(笑)
この付近でキャンプしようかと思ったんですが、あまりに何も無さすぎるので、もう少し進みます。
まだ明るいんですが、荷物のリパッキングもしたいし、今夜はココでキャンプします。
ここはドライクリークなんですが、今夜は半径100km以内では雨は降りそうにないので、問題ないです。
日が高いので日陰でやってるところ。
荷物を縛りなおしていて、まずい事がわかりました。
砂丘越えの振動と衝撃で、エクストラタイヤが前にズレてルーフラックが曲がってしまっていました。
走り方を振り返ると、仕方がありません(涙)
今日で道に迷うと命にかかわるようなタスクはキリがついたので、ヒトリ打ち上げをしなくてはいけません。(笑)
今日も夕焼けがキレイです。
でもこのすぐ後、ディンゴの来襲を受けました(爆笑)
なんで私は、肝心な時にゆっくり出来ないのかな~。
コレは別に話しますね。
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