2013年11月19日火曜日

139日目・1118・シンプソン砂漠【フレンチライン~QAAライン】




きのうのキャンプ地。



朝は寒いです。
気温差は30度以上。





ディンゴの足跡がありました。
私のタイヤの跡の上についてますから、私が眠っている時に来たのでしょう。
 コレですから、料理の後や保安には気をつけなければいけません。










ぜんぜん違う場所なんですよ。
同じに見えるでしょ(笑)






















フレンチラインはおおむねこんな感じ。
フランスの石油会社が1960年代に石油を探すために作った道です。
砂丘から次の砂丘まで、どこまでもまっすぐに道が続いています。

シンプソン砂漠の道はそのほとんどが、100年くらい前の探検のときか、1950~60年代に石油やガスを探す時に作られた道なんです。
ですから今は使われていない油井がたくさんあります。


実際に石油が出たなら、トラックが通れる道やパイプラインが作られたはずですから、試掘だったんでしょうね。
この近郊には、いまでも稼動している油田やガス田があります。

ヨーク半島を旅していたとき、フレンチマンズ・トラックという道を走りましたが、地形の高低に関係なくやたらまっすぐなので、とても険しい道でした。

ここを通りながらも、「なんでフランス人は、こうも何も考えないで道切るのかな~。」とあきれながら考えていました。







名だたる道への分岐路には、サインボードが立っています。
この道は他の道と違って途中にステイションのプロパティ(私有地)がない、本当の砂漠道なので、枝道がほとんどありません。
逆に考えると、人や家畜は生活できない場所なのでしょう。







地図の基準になる道標。





コレは探検家が探検した時のプレート。



砂丘を降りる時も、平らではないし、斜めに降りる場所があるので、なかなかビビります。
4輪とも滑って斜めになりながら下にそのまま落ちていって、止まっちゃうと横に転がりそうな時もたくさんありました。
そういう時は、目を見開きハンドルを握りながら、おケツに力を入れて、神さまにお願いをします。(笑)






 

砂丘をやっと越えても、次もまた同じような砂丘。
こういうのが何百回もあります。
同じ景色なので、写真も撮らなくなってしまいます。

「どうして私はこんな事をしているんだろう。」とか、「こういう事は大バカ者がする事だよな。」とか、そういう事を考えています。

けれども、やると決めた事ですから、終わるまでやります。
・・・というか、逃げ道はないので、通過するか引き返すしかありません。
あんな大変なところをまた通るのはイヤなので、なんとか前を目指します。

・・・というか、完了しないとまた来なきゃなんないので、前を目指します(爆笑)


またスタックしたところ。

どうしても越えられるところがないので、また、どっか~ん、どっかーん。と突破していたのですが、もうちょっとだからデフロックを・・・。
と使ったらすぐにハマってしまいました。
お腹が着いちゃうと、強力なトラクションデバイスも自虐の道具になってしまいます。



結構高い。
でもまだ昼間なので、今日は写真なんか撮ってる(笑)


スコップを使っていると、とても暑いのでサングラスはたれて来る汗で、すぐに見えなくなります。
暑くって面倒くさいので、もうコレくらいで大丈夫なんじゃね?と駆動すると、またハマってしまいます。そういう事を何度と繰り返します(苦笑)

私の車はパワステですが、砂丘越えではちゃんとハンドル握ってないと戻されちゃうし、ぐるんぐるんハンドル回すので、手のひらにはマメが出来始めました。


やっと出たところ。

結局、一旦ハマったらそこから前に行くことは不可能で、ずっと下まで降りてからまた勢いをつけて上がってくるしかありません。

このへんは雪と似たところがあって、MJMさんに連れて行ってもらったスノアタで、雪中将軍さんに鍛えて頂いた事がとても役立ちました。


前後にウインチが付いているし、砂でも使えるランドアンカーも持っているので、まだ奥の手はあるのですが、ここは人里からとても離れている砂漠であって、クローズドのオフロードコースではありませんし、私は一人です。

それらはジョーカー、最後の切り札なので、ウインチを使ってやっと脱出する場面が来たとすると、引き返しを真剣に検討する時でしょう。



単独で走るには、あまりに砂が深いので、こういう時には残りの燃料が、最後に補給した場所に帰れる量になった時点で、最終的にこのまま行くのか、引き返すのか。という事を決断します。

ですから、ロードコンデションがまったくわからない道では、予想の2倍持つ必要があります。
目的地の目前で、引き返さなければならない事だってあるからです。

それを誤ると、本当に遭難してしまいます。
「あっ!やべぇ!」とはいつも言っていますが、「ダメだ。ムリだ。」と自分が思う時に、うまくゆくはずがありません(笑)
そういう時は潔く無傷で帰還して、次に備えればいいんです。



入る前、アリススプリングスで会ったジョンにさんざん脅かされました。

「え?これから本当に一人でシンプソンを渡るのか?とても暑いぞ?!大丈夫か?」

「おいヨシ、昨夜ネットで調べたら、一台では入るな。って書いてあったぞ?大丈夫か?」

「今はシーズンオフだから入る人は居ないだろう。警察の届出は、渡ってからバーズビルですればいいよ。渡る前だと一台では止められるだろうからな。」

・・・わかってるからぁ、そんなに脅かさないでよぉ~・・・。

49℃のキャニングストックやガンバレルを1人で渡ってきた事を話すと、少しわかってくれたみたいです(笑)


けれども、シンプソン砂漠の地図にはこんな事が書いてありました。
地図見るとね、区間は500kmしかないのに、「6気筒のスタンダードディーゼルで180L~200Lの燃料は持ってろ。」なんて書いてあるんですよぉ。
それは私が経験した、半分以下の燃費です。
になに?フレンチラインってそんなにスゴイの???という訳で、私はバーズビルまで往復出来る位の燃料を持って入りました。


・・・だから重いから余計にスッタックしやすいんだろね。(苦笑)











 ポーペルコーナー。
ココはノーザンテリトリー、クイーンズランド、サウスオーストラリア州を分ける場所です。















しばらく川沿い(といっても干上がってる)の道を走ります。









QAAラインに入ると、状況は激変しました。
たまに3速でも越えられる砂丘があります。硬くて平らで、走りやすいです。

バーズビル側からシンプソン砂漠に入る道は、この一本しかないので通行量が多いから固められてるのかな?
他車のタイヤの跡も3本くらい残っているので、このエリアは風が弱い事がわかります。
それをなぞって走れば障害物を避けられるのですから、とても気がラクです。










砂丘越えの振動と衝撃で、ルーフラックがだいぶ前にズレていってしまいました。



今日は150kmくらいしか走れませんでした。


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