2013年11月19日火曜日

1119・【バーズビル ブッシュキャンプ ディンゴ襲来事件】



今日は、こちらに着てから数ヶ月取り組んできた、アウトバックの課題にキリがついたので、早めにキャンプ地を探し、ヒトリ祝賀会をする事にしました。

といっても、ビールちびちび飲みながら、焚火いじって、いつもと変わりません。
でもね、まだ明るいうちからディンゴの遠吠えが聞こえてきていたんです。
ディンゴんぽ遠吠えって、「ォォオォォ~~~ン~~」って、なかなか気持ち悪いんですよ。
風に乗って聞こえてくるのですから、遠くても1~2kmくらいでしょう。

遠吠えを聞くのは2度目。1度目はギブリバーロードの北部で、ミッシェルと一緒の時でした。
ですが、焚火もあるし、近寄っては来ないはずなので、気にもとめずにいました。


焚き木があまり集められなかったので、今夜はショボめ。

集めている時に、牛が100mくらい遠くにいたんですが、牛は決して近づいては来ないので、これも気に止めずにいました。
そして、ユーカリの木の下でゆるゆるにしていました。
ユーカリの葉っぱって、よく燃えるし、いい香りがするんですよ。


私は、かくれ裸族なので、下記のの条件がそろった時には裸でいます。

・ひとりぼっち
・暑い
・風がない
・蚊がいない
・焚火がある
・他の人は来ない
・チンコを噛みそうな動物も来ない

今回の旅で、この条件がそろい始めたのは、キャニングストックルートから。
今夜も裸族でいました。



日がとっぷり暮れて、夕焼けの後もなくなり、あたりは真っ暗。
私はいつも用事がないときは、車の室内灯も消して焚火を楽しんでいます。

毎日疲れ果てて、焚火がある日は一時間くらい、その前でビールを飲みながら居眠りをするのが日課です。
日中は暑くて昼寝など出来ないので、日が沈んでから少し休みます。

この時はフレンチラインでオイルランプのガラスを割ってしまったので、焚火の明かりだけでした。
月が昇る前で、東の地平線が微妙に明るくなっていました。
「晩ご飯なに作ろっかなぁ。」そんな事を考えながら、ウダウダしていました。

ふと50mほど先から、大きな牛の鼻息が聞こえてきました。
牛は暗くなってから近くで焚火を始めると、驚いてモウモウいう事はありましたが、鼻息はありませんでした。

「遠吠えも止まないし。なんか今夜はやっぱおかしいな・・・。」

こういう感覚は、毎晩ブッシュキャンプをしていると、鋭くなってきます。時計を見ると8時半。
私は警戒態勢を一段上げてイスに掛けてあった、いつものシマシマ海パンとアリススプリングスで買ったアミアミランニングを着ました。

その5分後。だいぶ弱くなった焚火を見つめている時、すぐ前のユーカリの向こう側から不意に、
「ゥヴウゥ~~~ツッ!」とうなる声がしました。

犬のような声の大きさとトーンから、大きさは大型でもなく小型でもない、中型犬くらい。
間違いなくディンゴです。距離は10m以内。
こういう声は、怒ったときか、襲う直前に出します。

まずいことに、焚火を見つめていたので、目がくらんで暗いところが見れませんし、完全にリラックスしていたので、何が起きたのかわかりませんでした。

今夜のキャンプはクリークで、丁度よい石があったのでそれで焚火の炉を作りました。
いつもはスコップで穴を掘るから焚火の近くにあるのですが、今は3m離れた車の中です。
明るいうちに用意をしたので、ライトも手元にありません。

だいいち、「火があれば動物は近寄っては来ない。」という鉄則の上に、私のブッシュキャンプは成り立っていましたから、想定外の用意はしていません。丸腰です。
けれども、すぐに気を取り直して対処しなくては、襲われてしまいます。

こういう時は、逃げるとこちらの劣勢を認めたことになるし、本能的に追いかけて来るので逃げてはいけないと同時に、こちらの圧倒的な優位を示さなくてはいけません。

唸り声がしてから私が立ち上がるまで2秒。
バタバタすると反射的に襲ってくるので、ゆっくり大またで5歩あるいて運転席に近寄り、うまいことにキーをつけっ放しだったので、エンジンを掛け、ライトを全部点けました。

静かな暗闇の中で、ディーゼルエンジンの音と車のライトは、動物にはもの凄い存在です。
近くに何もいない事を確かめてから、あたりをハンドライトで照らしましたが、何もいませんでした。
逃げていったようです。


数分後、あたりを歩き回ってしっかり何もいないのを確かめてから、足が震えだしました(笑)
たかが犬コロなんですが、こういうシチュエーションでは、やっぱ怖いです。

そのあと、やっと月が出てきました。(笑)
もっと早く出ていたら、こういう展開はなかったでしょう。
もう来ないとは思うんですが、初めての経験だったし、なんか気持ち悪いので場所を変え、この晩は車内で眠りました。
時たま聞こえる遠吠えは、明るくなるまで止みませんでした。


やっぱ知りたいですよね。で、実際どうだったの???って。
それで、朝また見に行ったところ。

ありますね。足跡。木から5m。
私はその先に3mに見える焚火にいましたから、ディンゴは8mのところまで来ていました。
動物は足音を立てないので、まったく気付かなかった。

私は料理はしていませんでしたから、遠くから引き寄せるような匂いはなかったと思います。
一人でイスにじっとしていたから、近寄ってきたのかも知れませんが、それは私にはわかりません。


みなさん、火があってもディンゴは近寄ってきます。注意しましょう(爆笑)


コレは別のところで撮ったやつ。



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