2013年12月8日日曜日

159日目・20131208・サリナ/クラブ・フィッシング(カニ捕り)

朝起きて敷地内の見回り。
ふたりとも朝帰りなので、ブラットはまだ眠ってます。
この見えるところはブラットんち。
古いエアコンの銅やらアルミやらはスクラップで副収入とのこと。
日本と同じですね。



少しはなれたところまで散歩します。

ブラットの家。


馬が寄ってきました。

おかあさん。
娘。




ワークショップ
昨晩使ったBBQ台
ジャグジー
起きてきました。 Yoshi,Good morning!
”きのうは楽しかったかい?”
”ああ。最高だったよ!”
”よし。用意してクラブ・フィッシングに行こうぜ。”
”はいよ。”

”あのさブラット、あとでGUN(鉄砲)見せてくれないかな?”
”ああ、いいよ。”
”あのテーブルはさ、馬が壊しちゃったんだよ。”
”乗っかってさ、折っちゃったんだ。”
冷凍庫からエサを取り出します。
釣りに行って、エサ用にとっといたやつ。


サリーが朝食を作ってくれました。
港でマットと待ち合わせしてるので、急がなくてはいけません。
”今朝はトラディショナル・オージー・ブレックファーストよ。”
”いつもはシリアルなんかを食べるわ。”

”あのさぁブラット。オージー・ガイはみんなタフだね。きのうそう思ったよ。”
”なんでだい?”
”だってみんな、早朝からミッドナイトまで、長いコースを走ったあとも、ずっと遊び続けていたでしょ?私は、立ちながら居眠りしてたよ。(笑)”
窓越しに馬がのぞいてます。(笑)



食後、ちょっとだけ鉄砲を見せてもらいました。

私は子供のころから、鉄砲だのナイフだの、そういう危ないものは、かなり好き。
始まりはルパン3世とコンバット。(笑)

これはライフル弾、センターファイヤー。ハンティング用のソフトポイントですね。
他にライフル1丁と、水鳥やウサギ狩に使う2連のショットガンが1丁があったんですが、なんか出発前の慌しさで、ゆっくり見てられなかった。(残念)

”Yoshi,次に来たとき、ピッグ・ハンティングに行こうぜ。”
”はいー!シューティング・レンジ(射撃場)でもいいよ!”
サリーが、”私は動物を撃つのは好きじゃないけど、的を打つのは好きよ。ブラットとよく行くのよ。”そういいました。
”このライフルはスタームルガーだね。アメリカ製だよね。”
”よく知ってるね。日本に銃はあるのかい?”

”あるよ。アーミーとポリス”
”それにハンター(猟師)とスポーツ・シューティング。だいたいクレー・シューティングだね。ライフル弾は、ショット・ガン(散弾銃)を20年使っていないと許可がもらえない。”
”日本には熊がいるけど、そういう時ハンターは、ショット・ガンをスラッグ弾で使うんだ。”

”それとマフィア。これはアンダー・グラウンド(非合法)だね。取締りはとても厳しいよ。”
”だから、普通の人々は銃は持ってないんだ。”

”Yoshiは銃を持ってるのかい?”
”ああ。持ってるよ。コレと同じルックスで同じ重さだよ。スコープもこれと同じさ。弾は6mmのプラスチックBB弾なんだ。それをエアで飛ばす。そうなんだ。TOY・GUNだよ。(爆笑)”
”日本は昔からサーベルみたいな長いナイフ、KATANAの文化なんだ。ムービーのサムライが持ってるのを見た事があるでしょ?あれはサムライの命と言われてる。
日本には大昔にポルトガルから銃が入ってきて、内戦では使われていた。パウダー(火薬)とブレット(弾)を先っちょから入れるやつさ。”
”150年くらい前、チョンマゲと言ってね、トラディショナル・ヘアスタイルだった頃さ。今はいない。”

”日本は、アメリカやオーストラリアみたいに、開拓するときに銃を使っていない。
それに60年前、日本は戦争に負けて、アーマー(武装兵器)は禁止になったんだ。
だから、今はとても少ないよ。普通の人々は銃にいいイメージは持っていない。””
”オーストラリアでは、銃を持つのは簡単なのかい?”
”ああ。簡単な手続きと許可だけだよ。”
”ハンド・ガン(拳銃)やマシン・ガンはないのかい?”
”それはないね。”

軍を別にすると、あくまで狩猟用で、護身や、人を撃つために作られた銃はないようです。
             



海に出発します。
20分のドライブ。
ロールバー。

サイドエアバッグ。
今日は運転ではなく、後ろはヒマなのでキョロキョロしてる(笑)

ボートの給油。

海に到着。

マットと合流。下ろしはじめます。
今日マットはワークシャツじゃないです。(笑)
みんなが着てるのは、昨日ブラットからもらった、彼の会社の販促用フィッシング・シャツ。
奥さんのアッシュリーもボートを下ろすのを手伝います。
”あたし12歳からパパとボートに乗ってるから、なんでも出来るのよ。”

私はブラットのボートが流されないように、捕まえてるだけ。(笑)
キャプテン・ブラット。
出航。
なんかドキドキ。
”Yoshi、今日は波が高くてアウト・リーフには行けないんだ。”
”河口でクラブ・フィッシング(カニ網)をしようぜ。”
私が来ることがわかった数日前から、海の状況を調べてくれてたようです。

川の支流に入ってクラブ・ポットを仕掛けます。
ここはロー・タイド(干潮)のときだけ出る、砂洲。
コレは釣ったんじゃなくて、カニ網用のエサ。(笑)
ぶつ切りにしてアミに仕込みます。その臭いに惹かれてカニがアミに入る。
アミ仕込み中。
この辺はもう、海の際は一面のマングローブの林。
こういう支流に入ってゆきます。
ここは車や歩きではダメで、ボートでなければ、入れないところ。
カニが通りそうなところに仕掛けて、
見えるところにロープを縛っときます。
この日は干満の差が大きいので、水中に沈まないところに。
次々と仕掛けます。


支流は曲がりくねって、たくさんあります。
GPSの軌跡がなければ、相当慣れてないと迷いそう。

網を数時間寝かせておくあいだに、河口で釣りをします。
私は自分のロッドを用意します。
ルアーロッドだけど、エサ釣り(笑)
ボウズじゃなくてよかった。
なんか小さなタイみたいなやつ。
ブラットは”コッド(ハタ)”の子ども。
全部リリースします。オーストラリアは、キープ(お持ちかえり)サイズは細かく決まってます。
この手の魚は30cm以上くらい(だったかな。)
それに小さいやつは、食べるところがあんまりない。
ランチ。
ココはでっかい魚が釣れるところだそうです。

茂みの中も、かき分けて入ります。

捕れました。マッド・クラブ。
こういうふうに後ろから甲羅を踏んづけて、ヒモで縛ります。

失敗すると”チョップ・アウト”ですから、細心の注意が必要です。
これは小さいそうです。


ところどころでブラットは投網を投げます。
投網って日本が発祥の漁具なのかね?
いままでも、イカが釣れるところでは、餌木(エギ)はしょっちゅう見ました。
日本のヨーズリとかのやつ。






ジャングルの中みたいで面白いです。


置き竿で休憩と昼寝。
視線を感じるとポーズしてくれました(笑)

彼らといるときは、空気がゆるいです。
私はいつもひとりで、どこか張りつめていたので、心からリラックスしていました。
水面を渡ってくる風がまた、ここちいいんですよ。


マットもカニをゲットしました。
やっぱハサミでかいです。
マットはカニ縛るのニガ手なんだけど、”オレはさぁ、トング(ビーチサンダル)でカニに挟ませて、挟んでる間に持ち上げてバケツに入れるのさ。”
いいアイデアです。(笑)


ブラットは手馴れた手つきで縛ります。
それを借りて私はポーズ(笑)
自分の獲物みたいな顔してますが、
私が縛ったのではありません。(笑)



だいぶ陽が傾いてきたので、浅場に行ってルアーを投げます。
”Yoshi、運転しろよ。”
”え?私ボート運転したことないよ?”
”ああ。コレがスロットルさ。ハンドルはわかるだろ?”
運転席は、メーターが付いててヤケにカッコいいです。
それに、オーストラリアの小型ボートは、基本アルミで、チェッカー・ボード(シマ板)が多用されてるので、とてもカッコいいです。
GPSやスピード、魚探
無線
マルチメーター
非常事態用ビーコンまでついてます。
CAPTAIN・Yoshi.
おそるおそるスロットルを開けますが、
ココは広いからすぐになれて来ました。
親指おっ立てて、”Hey,Hey~とか言いながら左右に舵を取り蛇行して、調子に乗ります(爆笑)
面白いので、日本でもボートのライセンスを取ることに決めました。(笑)
コレはカニの大きさ測るゲージ。このスキマにはいるやつはリリースします。

今日は小さなタイみたいなやつがよく釣れます。
”あっちにいるぜ!”



”ね~、ルアーがスタックしちゃったから取ってよぉ~!”
”はいよ!”
私はブラットに尋ねました。”サリナの人たちはみんなボートを持ってるのかい?”
”ああ。ここらの人はだいたい持ってるね。レジャーもあんまりないしね。”
釣りするにしても、オーストラリアは広さの割には、日本のような漁港はとても少なく、
砂浜はほとんどがシャロー(遠浅)で、
北部はこういうマングローブだし、岡っぱりからはやりにくい。
その割にパブリックのボートランプは必ずあるので、ボートが圧倒的に有利です。
”日本ではボートは使わないのかい?”
”もちろんあるんだけどね。私の住んでるChibaでは、外洋はいつもスゥエル(ウネリ)があるから、小さいボートは危ないんだ。”
”それに、普通の日本の家やアパートメント・ハウスは敷地が狭くて、ボートを置く余裕はないんだ。”
Tokyo・Bayは近いけど、パブリック・ボートランプは無いよ。
探しても有料か、使うとフィッシャー・マン(漁師)に怒られる(笑)
クルーザーを持っている人もいるんだけど、マリーナやランニング・コスト(維持費)がとても高いので、日本では限られた人たちの、リッチな遊びだね。
マネーを持ってる人は多いんだろうけど、日本のボート・カルチャーは貧しいと思う。”
”だから、普通の人がみんな持ってる、こういうスタイルは豊かだ。私はいいと思うよ。”
ここは私の住んでる東京シティより、はるかに不便です。
サリナは田舎です。
タウン・センターだってお店や物は少ないし、生活に必要なものが、やっと手に入るくらい。
一番近いマッカイまで、車で一時間もかかる。
(インターネット・ショッピングはあるけどね。)
休みの日の楽しみは、パーティやって仲間と酒飲んで喋るか、ボートで釣りするか、バイクに乗るか。
あんまり多くはない。
それであるから、仲間や家族やカップルはいつも、一緒に遊びに行く。
きょう私を連れてきてくれているのも、きっとこの町で出来る、精一杯のもてなしでしょう。
そういうシンプルなライフ・スタイルを、たまらなく人間的で、心が豊かな暮らしだ。と、そう思うのは、私だけでしょうか。
引き揚げて帰り支度をします。


帰り道にスーパーで買い物をして、私は今夜、寿司を作ってみんなに振る舞います。
じつはケープ・ヨーク離れ離れになった日のディナーは、私がスシを作って、みんなに食べさせてあげる予定だった。
そのために買っておいたスシ酢やら海苔やらを、じつはずっと持ち歩いていました。
私は明日にはココを離れなくてはいけないから、今夜、その約束を果たします。

”私は今夜、スシをクッキングするかんね。”
”楽しみだわ。作り方教えてよ!”
”まかせとけって!”
”スシってのはさぁ。ライスに混ぜるビネガーに気をつければ、あとは簡単なんだよ!”

そういう、わかったふうな事を言い放ちます(笑)
スシも、マリーバにいた時、ワーホリのユーイチくんに作り方を教わったんです。
ひとりの時はそういう手が込んだ料理はしないから、ダーウィンでお呼ばれした時に作ってから、今日で作るのは、じつは2回目。(爆笑)



下の2枚は帰国後にブラットが送ってくれた写真。

”ヘイ!Yoshi,あの後コイツをゲットしたぜ!”

ココは、こんなデカいバラマンディ(日本のスズキみたいなやつ)がたくさん釣れる場所なの。                     
だから、今日はローカルがガイドだし、かなり期待をしていた。
でもね、釣りって、釣れないから楽しいんですよ。

毎回大漁だったなら、楽しみにまたゆきたいとは、もっと上手になりたいとは、思わなくなる。

なかなか釣れないからこそ、釣れた時にはうれしい。

旅もゴルフも野球もサーフィンも勉強もシゴトも、みんなそう。
うまくはゆかないところが、とてつもなく楽しい。

そこを醍醐味として楽しめるなら、今よりもっともっと楽しくなる。
だからココにも、また釣りしにくればいいんです(笑)


”マット、明日はあのワーク・シャツ着るんだろ?
そうか。  あのシャツは、マットのグッド・テイスト(イイ味)だと思うよ。 
私はあのシャツを毎日着ているマットを、大好きだよ!”
彼らはシティ・パースンの事は、あまり良くは言いません。
日本語では彼らのような人たちを、イナカモノと言うのかもしれません。
それでも、トウキョウ・シティの田舎者である私は、彼らが大好きです。
撤収、帰り道。
ココからは深夜まで、大忙しだったので、写真を撮ってる余裕がありませんでした(苦笑)
帰宅後、釣り道具を片付け、ボートを洗うのを手伝い、それから
私は女子軍を率いて、キヤッキャしながらキッチンでスシの講習会を開き、
男子軍はビール飲みながら屋外で、今日捕ったカニを茹で、身をほぐし台所に持ってきて、
それをまたスシに巻いて、結局ディナーが始まったのは10:00PM(苦笑)
でもね、みんな催促などはせずに、ビール飲みながら喋って、気長にゆるうく待っててくれましたよ。

ケープヨークで一緒だったブルーのプラドのセーラと女の子二人は、彼女の仕事の都合で来れなくて会えなかったんだけど、ブーフとスケッティのカップルも、私のために来てくれました。
それで、うまいうまい!って皆でぜんぶ食べてくれた。(安堵)

私が作ったスシ食ってるところ。
そうだ、写真見て思い出した。左下のOKONOMIYAKIも作ったんだった。
Thank you mate! For your hospitality!
(おもてなし、ありがとう!)

”Yoshi,ケープヨークで撮ったムービーとか写真とか、DVDにして送るからな!待ってろよ!”
そういう事いうんですが、このテキスト書いてる6ヶ月後でも、まだ届いてねえ。
フェイスブックやメールだって出しても、すぐに返事は来ねえ。(笑)

でもね、いえ、決して彼らに悪気はないんです。
It's no problem. No worries mate!(平気だよ。気にすんな。)

なにごとも明るく笑い飛ばし、細かいことは気にしない。
そういうオージー・スピリットをもまた、彼らから学びました。

そのユルいところがまた、私にはとても心地いい。

私は、彼らにひと目でも会えればいい。そう思ってメルボルンから2,500km走って来ました。時間は残されていないから、眠らないで走り続けて、なかなか大変でした。


やっぱりそれでも、来て本当によかった。

大切な私のともだち。



2 件のコメント:

  1. やべー、俺、シティ・パースンだわ。

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    1. あー、Yukiさんは大丈夫。メルボルン・シティの田舎者だから。(爆笑)

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